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検査と診断

四十肩を経験する方は意外に多いものです。
家族や知り合いの中にも経験者がいて、この時とばかりに自分の体験談を語ったり、事細かなアドバイスをしてくれるかもしれません。
そうした親切はありがたく受けたいものですが、しろうとの診断は時に外れることもあり、鵜呑みにはできません。
やはり医療機関や治療院での診断が重要です。

間違いやすい障害

四十肩と症状がとても似ているのに、実は違う障害もあります。
問題となっている原因が違えば対処方法も違いますので、まずははっきりと診断してもらいましょう。
四十肩と似ていて誤診しやすい障害に、肩関節石灰沈着性腱板炎や肩関節腱板損傷があります。
四十肩や五十肩は、正式には肩関節周辺炎という診断名がつきます。

肩関節周辺炎の診断

肩関節周辺炎は、腕の可動域の制限が著しくみられ、他人が動かそうとすると痛みが生じます。
これは、肩峰下の滑液包の動きが妨げられることから生じます。
造影検査やプロカインテストで診断することができます。
また、レントゲン写真や超音波検査、MRI画像では特定できる要素がないため、それらで検査をして問題の箇所が見つからないなら肩関節周辺炎でしょう、という除外診断が行なわれます。

肩関節石灰沈着性腱板炎の診断

肩関節石灰沈着性腱板炎は、石灰とも呼ばれるカルシウムによって引き起こされる痛みです。
腕を動かす場合には、骨にくっついた筋肉を収縮させることによって、腕を上げたり下ろしたりします。
骨と筋肉のつなぎ目が腱板と呼ばれる部分です。
肩にある腱板にリン酸カルシウムの結晶が沈着することによって腱板に炎症が起こる症状が、肩関節石灰沈着性腱板炎と呼ばれています。
カルシウムは最初はミルク状に溜まり始めますが、そのうちにペースト状になっていき、次第に石膏状に固まってくるのです。
こうなると痛いのです。
この肩関節石灰沈着性腱板炎は、レントゲン写真やCTスキャン、超音波検査などで確認し、診断することができます。

肩関節腱板損傷の診断

肩関節腱板損傷は、上腕骨と筋肉のつなぎ目の腱板が切れたり、一部断裂して痛む障害です。
肩の関節は、肩甲骨のおわんの中に上腕骨がすっぽりはまっているような状態です。
この肩甲骨の肩峰と上腕骨に挟まれている腱板が傷んで、切れてしまうのです。
四十肩は肩全体がこわばる拘縮がみられるのですが、この肩関節腱板損傷にはみられません。
診断は、この拘縮があるかどうか、腕が上がるかどうか、またレントゲン写真やMRI画像によって行なわれます