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薬で痛みや炎症を抑える

四十肩の急性期には、痛みの軽減や炎症の鎮痛に重点を置いて治療が行なわれます。
早めに整形外科や治療院で診断をしてもらうことが大切です。
この時期には、どこまで腕が動かなくなっているかを確かめるために可動域の検査をするとしても、それ以上動かさないでそっとしておく保存治療を行なうのが通常です。
家が火事になってしまった場合には、まず火の鎮火が最優先となります。
同じように、四十肩はまず痛みの軽減と炎症の鎮静化が優先されるのです。
可動域を広げたり、血行をよくする治療は炎症が鎮まってからになります。

非ステロイド消炎鎮痛薬

ステロイドを使わない鎮痛薬を非ステロイド鎮痛薬と呼んでいます。
非常に即効性がある薬で、腫れを抑えたり痛みが和らぐ効果が期待できます。
その反面、副作用もあり、胃潰瘍などといった胃腸障害が起こりやすいため、胃腸薬と併用することもあるでしょう。
もちろん、炎症や痛みを和らげるだけで、肩関節の問題そのものが改善されるわけではありません。

副腎皮質ステロイド剤の関節内注入

副腎皮質ステロイド剤の関節内注入も行なわれます。
消炎鎮痛剤などの飲み薬が効かない場合には、関節にステロイド剤を注入して劇的に症状が好転するケースがあります。
ステロイド剤は炎症によく効き、鎮痛効果もある強力な薬ですが、副作用も強いため他の薬が効かない場合の二次的な処方をされることが多いようです。
多用すると、骨を弱くし、骨粗しょう症になりやすくなります。

外用薬の消炎鎮痛剤

クリームや軟膏、シップ薬などの消炎鎮痛剤を皮膚の上から使用します。

ヒアルロン酸ナトリウムの関節内注射

ヒアルロン酸ナトリウムは保水力の非常に高い物質で、関節内の滑らかさに役立ちます。
この関節内注入によって、軟骨や関節液の粘弾性が向上して関節内の動きが滑らかになり、関節の動きが大きくなったり、痛みが軽減されることがあります。
ヒアルロン酸ナトリウムでの副作用はあまりないのでステロイド剤よりも安全といえるでしょう。

肩甲上神経ブロック

局所麻酔薬などで肩甲上神経ブロックをするケースもみられます。
肩甲骨をはじめとする肩関節周辺の神経をブロックして、一時的に痛みを緩和します。
症状がひどいと、夜ベッドに横になっても眠れないことや、寝ているのに痛みで突然目が覚めてしまうといったこともあり、体への負担が増加してしまいます。
また、星状神経節ブロックを施して肩関節周辺部の血流を増加させて炎症治療を進めることもあるのです。

このように、四十肩から痛みが発症してしまう状況では、まずは痛みを抑えると共に炎症を鎮めていくことに重点がおかれます。
その後、肩関節の可動域を復元していくリハビリ治療がなされていくのです。